「好きな人と結婚する」が当たり前だと思っていませんか?実は、恋愛感情なしで結婚する人たちがいます。それが「友情結婚」です。
友情結婚とは
友情結婚(友情婚・友達婚とも呼ばれます)は、恋愛感情を前提としない結婚の形です。お互いの価値観や人生設計を共有しながら、パートナーとして人生を歩んでいく。恋愛結婚との違いをざっくりまとめると、こんな感じです。
| 項目 | 恋愛結婚 | 友情結婚 |
|---|---|---|
| ベースとなる感情 | 恋愛感情・性的魅力 | 信頼・尊重・友情 |
| 性的関係 | 基本的にあり | 基本的になし |
| パートナー選びの基準 | 「好き」という感情 | 価値観・人生設計の一致 |
ここでよく聞かれるのが「それって偽装結婚じゃないの?」という質問。全然違います。偽装結婚はビザ目的や金銭目的で籍だけ入れるもの。友情結婚はお互いが真剣にパートナーシップを築く意思を持って、実際に生活を共にする関係です。
友情結婚を選ぶ人たち
アセクシャル・ノンセクシャル
アセクシャル(他者に性的欲求を抱かない人)やノンセクシャル(恋愛感情はあるけれど性的欲求がない人)にとって、性愛が前提の恋愛結婚はハードルが高いことがあります。「好きだけど、性的な関係は持ちたくない」という気持ちを理解してもらえず、交際がうまくいかなかった経験を持つ方も少なくありません。友情結婚なら、性的関係なしにパートナーシップを築けます。アセクシャルについてもっと知りたい方は「アセクシャルと友情結婚」もどうぞ。
ゲイ・レズビアン
同性パートナーとの関係は維持しつつ、社会的な安定を得たいと考える方もいます。日本では同性婚が法制化されていないため、異性との友情結婚を選択するケースがあります。職場や親族との関係で「結婚」というステータスが必要な場合もある。LGBTQと友情結婚の関係について詳しくは「LGBTQと友情結婚ガイド」をご覧ください。
恋愛に興味がない人
セクシャリティとは関係なく、「恋愛には興味がないけど、人生のパートナーはほしい」という人もいます。一人で生きていくのは不安だけど、恋愛関係を築きたいわけではない。そういう方にとって、友情結婚は現実的な選択肢になります。
友情結婚のメリット
1. 価値観の合うパートナーと出会える
恋愛結婚だと「好き」が先行して、生活面の相性を後回しにしがちです。一緒に住み始めてから「金銭感覚が合わない」「生活リズムが違いすぎる」と気づくパターン、周りにもいませんか?
友情結婚では、最初から生活習慣や金銭感覚、将来設計といった日常生活に直結する部分を確認してから関係を始めます。冷静に相手を見られるのは大きい。
2. 社会的な安定を得られる
法的な婚姻関係があると、配偶者控除などの税制優遇、社会保険の扶養、住宅ローンの審査、入院時の面会や同意といった法的権限など、さまざまな場面で違いが出ます。「結婚しているか」で待遇が変わる場面は、まだまだ多いのが現実です。特にキャリア面での影響については、友情結婚と仕事・キャリアの関係で詳しく解説しています。
3. お互いの自由を尊重した関係
恋愛結婚で「嫉妬」や「独占欲」が問題になるケースは珍しくありません。友情結婚ではそうした感情が生まれにくく、お互いのプライベートを尊重しながら、必要なときは支え合う関係を築けます。束縛が苦手な人にはかなり合っている形です。
4. 周囲からのプレッシャーが減る
「結婚しないの?」「いい人いないの?」。親戚の集まりや職場で、こう聞かれるのがしんどいという声はよく聞きます。友情結婚で「結婚している」というステータスを得ることで、こうしたプレッシャーから解放される場合があります。
友情結婚のデメリット
1. 周囲の理解を得にくい場合がある
友情結婚はまだ認知度が低く、「なぜ恋愛じゃないのに結婚するの?」と不思議に思われることがあります。家族や友人にどう説明するか、事前に考えておいたほうがいいです。全員に正直に話す必要はないけれど、近しい人には説明が必要になる場面は出てきます。友情結婚への偏見とどう向き合うかでは、周囲の反応への対処法を具体的に紹介しています。
2. 話し合いをサボれない
恋愛感情という「接着剤」がない分、話し合いで関係を維持していくことになります。生活のルール、将来の計画、問題が起きたときの対処法。「言わなくてもわかる」は通用しません。逆に言えば、きちんと話し合える関係だからこそ長続きするとも言えます。
3. 子どもについての難しさ
子どもを望む場合、シリンジ法や人工授精など性行為を伴わない方法について話し合う必要があります。子どもにどう説明するかという問題もあるので、ここは特に時間をかけて話し合いたいところです。友情結婚と子どもでは、この問題についてさらに詳しく取り上げています。
4. 恋愛感情が芽生えることもある
一緒に暮らしていくうちに、友情結婚の相手に恋愛感情が芽生えてしまうケースもあります。相手がそれを受け入れられない場合、関係がぎくしゃくすることも。この可能性については、結婚前にお互い話しておくのがおすすめです。
友情結婚に向いている人
どんな人が友情結婚に向いているかというと、たとえばこんなタイプです。
- アセクシャルやノンセクシャルで、恋愛感情や性的欲求がない・少ない人
- ゲイやレズビアンで、社会的安定も得たい人
- 恋愛より信頼や契約ベースの合理的な関係を好む人
- 老後や病気のとき、支え合えるパートナーがほしい人
- 話し合いが苦にならない人(これ、地味だけどかなり大事)
友情結婚を成功させるポイント
友情結婚を長く続けるためのコツを紹介します。具体的な話は「友情結婚を成功させるコツ」でも書いています。
結婚前の話し合いを徹底する
生活費の分担、住居のルール(同居か別居か、プライベート空間の確保)、パートナー以外との関係の許容範囲、子どものこと、家族への説明方法、将来設計。このあたりは結婚前に必ず話し合っておいてください。「後で決めよう」が一番揉めます。
婚前契約書を作成する
話し合った内容は婚前契約書として文書化しておくのがおすすめです。トラブル防止だけじゃなく、「自分たちはこういう関係だ」とお互い確認する作業にもなります。何をどこまで話し合えばいいか迷う場合は、友情結婚成功のための完全ガイドがチェックリストとして役立ちます。
定期的な見直しを行う
状況は変わります。半年に一度でもいいので、話し合いの場を設けて関係性を見直す。最初に決めたルールがずっと正解とは限らないので、柔軟にアップデートしていくのが長続きの秘訣です。
おわりに
友情結婚は、恋愛を前提としないパートナーシップの形。だからこそ合意とコミュニケーションが土台になります。
「自分には恋愛結婚しか選択肢がない」と思い込んでいる人がいたら、こういう形もあるんだと知ってもらえたらうれしいです。結婚の形はひとつじゃない。自分に合った選び方を探してみてください。




