友情結婚の話を誰かにしたことはありますか。
僕はまだ「検討中」の段階なんですけど、この前、仲のいい友人にちょっとだけ話してみたんですよ。恋愛感情がなくても結婚するっていう選択肢があるんだよね、って。そしたら返ってきた言葉が「え、それって偽装結婚じゃないの?」でした。
悪気がないのはわかってます。結婚って聞いたら恋愛の延長だと思うのが普通だし。ただ、あのときの微妙な空気はなかなか忘れられなくて。それ以来、友情結婚に対する世間の見方ってどうなってるんだろうと、ちょっと真面目に調べてみたわけです。
「偽装結婚」と「友情結婚」はまったく違う
はっきりさせておきたいんですけど、偽装結婚と友情結婚は根本的に別物です。
偽装結婚は在留資格の取得や金銭的な利益を目的として、実態のない婚姻届を出す行為。これは犯罪です。公正証書原本不実記載罪に問われる可能性がある。友情結婚は恋愛感情を前提としないだけで、お互いが真剣にパートナーシップを築こうとしている関係。一緒に暮らして、生活費を分担して、将来のことを話し合って、必要なら婚前契約書まで交わす。これのどこが偽装なんでしょ?
いや、ちょっと待って。そもそも恋愛結婚だって、結婚する動機は人によってバラバラじゃないですか。経済的な安定がほしかった人もいれば、親を安心させたかった人もいる。「好きだから結婚した」以外の理由が含まれていたとしても、誰もそれを偽装とは呼ばない。なのに恋愛感情がないことだけを理由に偽装と呼ばれるのは、フェアじゃないって話ですよ。
「子どもがかわいそう」問題
友情結婚について調べてると、もう一つよく出てくるのが「子どもがかわいそう」っていう声。
これ、正直なところ僕も最初は引っかかりました。愛し合ってない両親のもとで育つ子どもって幸せなのかな、と。でも調べていくうちに気づいたんですよ。この問いかけ自体がズレてるんじゃないかって。
逆に聞きたいんですけど、「愛し合っている夫婦の子どもは幸せ」って本当にそうですか? 恋愛結婚をして、途中で関係が冷え切って、毎日ケンカが絶えない家庭だってたくさんある。逆に、友情結婚のカップルがお互いを尊重しながら安定した環境で子育てをしているケースもある。子どもにとって大切なのは、両親が恋愛しているかどうかじゃなくて、家庭が安全で安心できる場所かどうかでしょ。
内閣府の「少子化社会対策に関する意識調査」を見ても、子育てにおいて重視される項目の上位は「経済的な安定」「安心できる住環境」「夫婦間の協力」。「夫婦間の恋愛感情」なんて項目は出てこない。ほら、やっぱりそうなんですよ。
「本当の結婚」ってなんだろう
じゃあそもそも「本当の結婚」って何なのか。
民法上、婚姻に必要なのは「婚姻意思の合致」と「届出」だけです。恋愛していなければ結婚できないなんて条文はどこにもない。歴史的に見ても、日本の結婚はむしろお見合いが主流だった時代の方が長いわけで、恋愛結婚が「普通」になったのはここ数十年の話なんですよ。
要はこういうことでしょ? 僕たちは「恋愛結婚こそが正しい結婚の形」っていう物語を、テレビや映画やSNSを通じてずっと浴び続けてきた。それ自体は別にいい。でも、その物語から外れた選択をした人に対して「それは本物じゃない」と言ってしまうのは、ちょっと想像力が足りないんじゃないですかね。
実際に言われたとき、どうするか
とはいえ、理屈がわかっていても、面と向かって「偽装じゃないの?」と言われたらやっぱりへこむ。僕はまだ検討段階だからそこまで深刻じゃないですけど、実際に友情結婚をしている人たちはどう対応してるんだろうと気になって、いくつかの体験談を読んでみました。
あるゲイ男性は、親に友情結婚のことを話したとき「お前は騙されているんじゃないか」と心配されたそうです。でもパートナーの女性と一緒に何度か食事をするうちに、親の態度は変わっていった。「結局、二人の関係性を直接見てもらうのが一番だった」と振り返ってます。 (※プライバシーに配慮し、複数の体験談をもとに内容を一部変更しています)
別の方は、職場の同僚に「恋愛じゃないのに結婚するってよくわからない」と言われたけど、あえて説明しなかったそうです。「わかってもらう必要はないと思った。自分とパートナーが納得していればそれでいい」と。この割り切り方、僕にはまだちょっと難しいですけど、かっこいいなと思いましたね。
偏見は「知らない」から生まれる
友情結婚に対する偏見って、結局「知らないから」なんですよ。知らないものに対して人は不安を感じるし、不安を感じると否定したくなる。これは友情結婚に限った話じゃなくて、LGBTQに対する偏見も、外国人に対する差別も、根っこの部分は同じなわけです。
だからといって、偏見をぶつけてくる人を全員説得しようとする必要はないし、そんな余裕もない。でも、もし相手が本当に知りたがっているなら、自分の言葉で少しだけ説明してみるのもありかもしれません。「恋愛じゃないけど、お互いを大切に思っているパートナーなんだ」って。それだけで伝わることもある。
まだ答えは出ていないけど
正直なところ、僕はまだ友情結婚するかどうか決めてません。でも、こうやって調べたり考えたりする中で、少しずつ見えてきたものがあります。
友情結婚は「本物じゃない結婚」じゃなくて、「恋愛とは別の土台の上に建てる結婚」なんですよ。土台が違うだけで、その上にある信頼や尊重は何も変わらない。
偏見に出会ったとき、傷つかないようにするのは難しい。でも、自分が何を選ぼうとしているのか、なぜそれを選ぶのか、自分の中で整理ができていれば、他人の言葉に振り回される度合いは少し減るんじゃないですかね。少なくとも、「恋愛がないから偽装だ」っていう雑な決めつけは、もう捨てていいと僕は思ってます。




