この前、会社の同僚に「そらちゃんってどうやって旦那さんと出会ったの?」と聞かれました。お昼休み、コンビニで買ったおにぎりを食べながらの、なんてことない会話です。「マッチングアプリだよ」と答えたら「へー、どのアプリ?」と続いて、ちょっとだけ困りました。友情結婚専門のアプリだよ、とは言わなかったんですけど、帰りの電車で「パートナーの探し方って、意外と聞かれるんだな」と思ったんです。
アセクシャルのわたしにとって、パートナー探しは想像以上にハードルが高かった。今日はそのことを書いてみようと思います。
恋愛前提のアプリ、全部しんどかった
20代の終わりごろ、友だちに勧められていくつかマッチングアプリを試したことがあります。写真を載せて、プロフィールを書いて、「いいね」を送る。仕組みはわかるんですけど、プロフィールに「恋愛観を教えてください」って書いてある時点でもう手が止まってしまう。
マッチングしてメッセージのやりとりが始まっても、「今度ごはん行きませんか」の先にあるものが恋愛だとわかっている。相手が悪い人じゃないのはわかってるんですけど、わたしが求めているものとずれている感じがずっとあって、3人くらいとやりとりした段階でアプリを消しました。
恋愛ありきの場所でパートナーを探すのは、アセクシャルの自分にはそもそも土俵が違ったんだと思います。
自分が何を求めているのか、整理するのに時間がかかった
アプリを消した後、しばらく何もしなかった時期があります。半年くらい。その間にやっていたのは、自分が誰かと暮らすとしたら何を求めるのか、頭の中で考えることでした。
ノートに書き出してみたこともあります。「一緒にごはんを食べたい」「でも毎日じゃなくていい」「自分の部屋がほしい」「体の関係は求めない」「でも一人は寂しい」。書いてみると、恋愛は求めていないけど、誰かとのつながりはちゃんとほしいんだな、ということがわかりました。
この整理をしておいたことが、後のパートナー探しですごく役に立ちました。自分の「ここは譲れない」と「ここは柔軟でいい」の境界線がはっきりすると、相手を探すときにブレなくなるんです。自分の価値観を整理するって、地味だけどけっこう大事な作業だと思ってます。
出会いの場所はいくつかある
アセクシャルのパートナー探しって、選択肢が少ないように思えるかもしれないんですけど、調べてみると意外とあります。わたしが知っている範囲で書いてみます。
友情結婚に特化したマッチングアプリは、恋愛が前提じゃないぶん気持ちが楽でした。プロフィールに「セクシュアリティ」や「子どもの希望」「同居・別居」の項目があって、最初から条件のすり合わせができる。プロフィールの書き方で自分のことを正直に書いたら、同じような価値観の人からメッセージが来るようになったんです。
SNSのアセクシャルコミュニティも、直接パートナーを探す場所ではないけど、同じ感覚の人とつながれるという意味では助けになりました。Xで「#アセクシャル」で検索して、同じようなことを感じている人がいるとわかるだけで、ちょっと安心できた。オフ会に参加してみたこともあります。お茶を飲みながら「恋愛の話題が出ると困るよね」みたいな話をして、「わかる」って言い合えたのがうれしかった。
友情結婚専門の結婚相談所もあります。費用はかかるんですけど、カウンセラーが間に入ってくれるので、自分一人で動くのが不安な人には合っているかもしれません。相手探しの方法を比較した記事もあるので、迷っている人は読んでみてください。
友情結婚という選択肢のこと
わたしが最終的に選んだのは友情結婚でした。恋愛感情なしで、生活や価値観を共有するパートナーシップ。法律上はちゃんとした結婚なので、社会保障や税制面のメリットもあります。
友情結婚のことを知ったのは、ネットで「アセクシャル 結婚」と検索したのがきっかけです。最初は「そんなのあるんだ」くらいの感覚だったんですけど、調べれば調べるほど、自分に合っている気がしてきました。友情結婚とは何かを読んだときに、「これだ」と思ったのを覚えてます。
ただ、友情結婚にもちゃんとデメリットはあります。恋愛的なときめきはないし、周囲にどう説明するかは悩むところ。パートナーとの間で「ここまではOK、ここからはNG」という線引きを最初にしっかり話し合っておかないと、後からもやもやすることもある。わたしの場合は、パートナーと出会って3ヶ月くらいかけてこの話し合いをしました。
パートナーに求める条件、全部は叶わない
条件を整理する段階で気づいたんですけど、全部を満たす相手は存在しないです。当たり前なんですけど、探しているときはつい「完璧な人」を求めてしまう。
わたしの場合、最初は「同い年くらい、都内在住、猫好き、料理ができる、おだやかな人」みたいなことを考えていました。でも実際にパートナーになった人は年上だし、最初は料理がほとんどできなかった。猫は好きだったのでそこは合ってたんですけど。
結局、**譲れないのは「わたしのセクシュアリティを理解してくれること」と「一緒にいて疲れないこと」**の二つだけでした。それ以外は、暮らしていくうちになんとかなるものです。パートナーは今ではカレーとパスタが得意になりました。
わたしの場合の流れ
参考になるかわからないんですけど、わたしがパートナーと出会って結婚するまでの流れを簡単に書いておきます。
アプリに登録したのが2022年の秋ごろ。プロフィールを書くのに1週間くらい悩みました。自分のことを文章にするのって、けっこう難しい。何人かとメッセージのやりとりをして、「この人ともう少し話してみたい」と思えた人がパートナーです。
最初のメッセージは、お互いのプロフィールに書いてあった好きな映画の話から始まりました。1ヶ月くらいメッセージを続けてから、駅前のカフェで初めて会いました。2時間くらい話して、帰り道に「また会いたいな」と思えたのを覚えてます。恋愛的なドキドキじゃなくて、「この人とならごはんを食べながら静かに過ごせそう」という感覚でした。
そこから月に2〜3回会って、半年後に交際、さらに半年後に結婚。今は都内のマンションで二人と猫一匹で暮らしてます。
焦らなくていいし、見つからなくてもいい
自分を受け入れることが最初の一歩、みたいなことを言う人もいるんですけど、わたしはそこまで大げさに考えなくていいと思ってます。「パートナーがほしいな」と思ったら探してみればいいし、「やっぱり一人がいいな」と思ったらやめればいい。どっちも正解です。
アセクシャルのパートナー探しは、選択肢が少ないぶん時間がかかることもあります。でも、恋愛を前提としない出会いの場は少しずつ増えてきている。わたしが探していた5年前よりも、今のほうがずっと情報も場所もある。
今のところ、わたしはパートナーと穏やかに暮らしてます。昨日はパートナーがカレーを作ってくれて、二人でテレビを見ながら食べました。むぎは足元で寝てました。こういう日常が、わたしにはちょうどいいです。
友情結婚についてもっと知りたい方へ
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