「猫が苦手って書いてあったから、もうナシです」。MITRAを運営していると、この手の声をよく聞く。プロフィールの1行、メッセージの一言。それだけで相手を「合わない人」フォルダに放り込んで、二度と開かない。気持ちはわかる。婚活は体力も気力も食うから、早く絞りたくなる。
ただ、その1点で相手の全部をゼロにするのは、もったいない。
0か100かじゃなく、0.3とか0.7で見る
人は、合う・合わないがきれいに白黒で分かれる存在じゃない。だから相手を点数の幅で見てみるといい。「今のところ0.7くらい合いそう」「ここは引っかかるけど0.5はある」みたいに、ざっくり幅で捉える。
友情結婚は、ときめきの一発勝負で決まる関係じゃない。価値観や生活リズムを少しずつすり合わせる前提の関係だ。だから最初から多少のズレがあって当たり前で、「このズレ、話して埋まりそうか」と思えるかどうかが分かれ目になる。最初0.3でも、話すうちに0.8まで上がる。そういう例は何度も見てきた。
「合わない」の裏の理由まで聞く
「合わない」と感じた相手でも、理由を聞くと腑に落ちることがよくある。
「できれば別居婚がいい」と言われて、最初は「それで結婚する意味ある?」と身構えても、理由を聞いたら「お互いの時間を大事にしたいから、近くに住んでいつでも会える関係がいい」という前向きな話だった、とか。形が違っても成り立つ関係はいくらでもある(同居・別居・週末婚の違いは友情結婚の住居選びに)。決めつける前にいったん受け止める。それだけで歩み寄れる余地が広がる。この対話の積み重ねが、続く人にはたいてい共通している。
完璧な相手は、いない
婚活モードに入ると忘れがちだが、100%自分に合う相手なんて存在しない。違いがあるからこそ、それをどう受け入れて折り合うか。そのなかで信頼が育つ。
それに「完璧じゃないと無理」と言うなら、自分も相手にとって完璧でいなきゃいけないことになる。お互い様だ。1つの違いで全否定を繰り返していると、出会いはどんどん細る。逆に、慎重になったほうがいい相手の見分け方はこんな人は友情結婚しないほうがいいに分けて書いた。
「これだけは譲れない」を1つに絞る
あれもこれもと条件を足すと、いつまでも相手が見つからない。「ここだけは絶対に譲れない」を、まず1つだけ決める。それだけで気持ちがかなりラクになる。内閣府の男女共同参画白書を見ても、家族のかたちや人生の歩み方は大きく多様化している。正解がひとつじゃないからこそ、自分の優先順位を先に言葉にしておくと、相手を見る軸がブレない。
絞り込むときは、次の3つで切り分けるとラクだ。
- 長期的に変えられないこと(子どもを持つか持たないか、別居か同居か、改姓の希望など)
- 生活の土台に関わること(収入の分担、住む地域、将来の介護方針など)
- 時間の使い方(休日の過ごし方、仕事量のバランス、趣味との折り合い)
この3つは、話し合いで妥協しにくい「構造」の部分だ。逆に、ここに入らない条件、たとえば掃除の頻度や食の好みは、暮らしながら調整できることがほとんど。紙に書き出して、1〜3のどれかから「絶対に譲れない1つ」を先に決め、残りは「話し合い次第」の枠に入れてしまう。これだけで相手を見る判断が軽くなる。
子どもを希望するなら、年齢が現実的な制約になるのも事実だ。友情結婚は登録からマッチング、対面、交際、入籍まで最短でも1〜2年は見ておくのが現実的なので、ほしいなら早めに動くほうが選択肢は広い。もちろん、持たない選択も等しく尊重される。
0.3を0.7に上げる、最初の数往復の使い方
グラデーションで見ると決めても、じゃあ実際どう確かめるのか、というところで手が止まりやすい。相手の点数が動くのは、たいていメッセージの最初の数往復だ。属性じゃなくて「暮らしの前提」をひとつふたつ聞いておくと、第一印象の0.3が思ったより動く。
たとえば「休みの日は一緒に過ごしたい派か、別々でも平気か」。同居や日々の距離感に直結する話なのに、プロフィールにはまず書かれていない。あるいは「お金は完全に分けたいか、ある程度まとめたいか」。生活の土台の話だから、ここが近いと一気に現実味が出る。逆に趣味や好きな食べ物から入ると、会話は盛り上がっても点数はあまり動かない。ここは運営で見ていても、けっこうはっきり差が出るところだ。
聞き方にもちょっとしたコツがある。YESかNOで終わる質問にしないほうがいい。「別居婚ってどう思う?」より「別居婚に興味があるとしたら、どういう理由から?」と聞く。理由まで返ってくると、さっき書いた合わない裏の理由が、そのまま見えてくる。三往復もすれば、話して埋まるズレか、構造として動かないズレかは、だいたい見分けがつく。切るのはそれからでも遅くない。
「違うかも」と思ったときこそ、話す
最初の印象が0.3でも、話すうちに0.7や0.9まで深まることがある。あるご利用者の例(一部、本人が特定されないよう変えている)では、最初のプロフィールの印象は「年齢も職業もイメージと違って、自分のなかでは0.3くらい」だったという。
それでも試しにメッセージを3往復したところで、「実家の介護をしながら、自分の時間もしっかり確保したい」という価値観がぴたっと重なっていることに気づいた。最終的に友情結婚へ進み、今は別居婚で穏やかに暮らしている。本人いわく「あの0.3は、ほとんど見た目と属性の第一印象だけだった。写真の髪型だけで切ってたら危なかった」と笑っていた。
友情結婚は、満点の相手を探す関係ではなく、グレーをどう受け入れ合うかの関係だ。「この人は違うかも」で終わりにせず、もう一歩だけ踏み込んで話してみる。見極め方そのものは「この人なら大丈夫」と思える相手の見極め方にまとめた。
MITRAは運営体制やプライバシーポリシーを公開したうえで、こういう相談に日々向き合っている。1点の不一致で出会いを手放してしまう前に、自分の軸を一度ちゃんと描いておくといい。
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