二人で暮らすと決めたあと、最初に現実として立ちはだかるのが「お金、どう分ける?」という問題だ。家賃の引き落とし口座をどっちにするか、食費は折半でいいのか、相手の貯金額をどこまで聞いていいのか。考え出すと意外と決めることが多い。
友情結婚の場合、ここで一つ得をしている。恋愛感情を挟まないぶん、お金の話を最初からドライにできるのだ。恋愛結婚だと「好きで一緒になったのに、お金の話ばかりするのはなんだか…」と切り出しにくい場面が出てくる。友情結婚にはその遠慮がない。数字を数字として並べて、淡々とルールを決められる。これは地味だが大きい。
結婚前に話し合っておきたいお金のこと
お金のトラブルは、離婚理由の上位に毎年顔を出す。友情結婚の離婚率を左右する要因でもあるので、入籍前にお互いの経済状況を開いておくに越したことはない。
最低限そろえておきたいのは、お互いの手取りと毎月の支出パターン。年収だけ言い合っても、税金や社会保険料を引いたあとに手元にいくら残るかが分からないと分担の計算ができない。貯蓄額に加えて、奨学金やカードローン、リボ払いといった借金の有無も先に出しておく。これを後出しにすると、見つかったときに「隠していた」という話に化けて、金額以上に信頼を削る。
将来かかる費用の見当も、ざっくりでいいのでつけておきたい。住居をどうするか、子どもを持つかどうか、老後にどれくらい必要か。特に子どもを希望するなら、年齢は無視できない制約になる。友情結婚はアプリ登録から対面、交際、入籍まで最短でも一年前後はかかる前提で動くものなので、ほしいなら早めに逆算して動いたほうが現実的だ。もちろん、子どもを持たない暮らしを選ぶのも対等な選択で、そこに優劣はない。
家計管理の3つのパターン
友情結婚の家計管理で実際によく使われるのは、大きく分けて三つの型だ。どれが正解ということはなく、二人の収入差や性格で向き不向きが変わる。
パターン1:完全別財布
収入は各自で管理し、家賃や光熱費といった共通の支出だけを折半か収入比で出す方式。自由度が高く、相手の口座を気にしなくていいぶん金銭トラブルが起きにくい。一方で家計の全体像が見えづらく、大きな出費のたびに「これは共通?個人?」の線引きが要る。住まい選びの段階で家賃の負担割合を先に決めておくと、後の精算がだいぶ楽になる。
パターン2:共同財布
二人の収入を一つの口座にまとめ、そこから生活費を出す方式。家計の全体像が一目で見えて、貯蓄計画も立てやすい。難点は、個人の自由な支出がしづらくなることと、口座を管理する側の負担が偏りやすいこと。趣味にいくら使ったかを毎回見られている感覚が、人によってはストレスになる。
パターン3:ハイブリッド型
共通口座と個人口座を併用する方式。毎月決まった額を共通口座に入れ、残りは各自で持つ。共同生活の安定と個人の自由のバランスが取りやすく、友情結婚ではこの型を選ぶ人が一番多い印象がある。唯一の弱点は、ルールがやや込み入ること。何を共通から出すかの線引きを最初に詰めておかないと、結局あいまいになる。
ケイコさん(仮名)のところは、このハイブリッド型に落ち着いた。「家賃・光熱費・食費は共通口座、趣味と交際費は各自」というシンプルな線引きだ。最初は共通口座へ入れる額でひと悶着あったが、お互いの手取りを開示して収入比で計算する形にしたら、あっさり片がついたという。「恋愛感情がないぶん、数字の話をドライに進められるのが逆にラク」と話していたのが印象に残っている。(プライバシー配慮のため一部フェイクを含みます)
友情結婚の生活費は「定例会議」で回す
友情結婚の強みは、家計をビジネスのプロジェクトのように扱える点にある。月に一度、収支を振り返る時間を取る。スプレッドシートで支出を共有する。大きな買い物は事前に相談する。こうした距離感やルール作りが、恋愛のしがらみがないぶんスムーズに進む。
おすすめは、月イチの「お金会議」だ。会議と言っても堅苦しいものではなく、カフェで先月の支出をざっと見て、来月の予定を確認する程度でいい。家電の買い替えや旅行があれば、その場で予算を切っておく。この定例の場があるだけで、不満が溜まる前にガス抜きができる。恋愛結婚だと遠慮して言い出せない人もいるが、友情結婚ではこれが当たり前の運用としてハマりやすい。コミュニケーションの取り方そのものは友情結婚でうまくいくコミュニケーション術も参考になる。
収入比での分担計算例
「収入比で分担」と言われても、いざ電卓を出すと手が止まる人は多い。具体的な数字で見たほうが早い。
月の共通支出が合計20万円(家賃10万、光熱費2万、食費6万、通信費2万)、Aさんの手取り30万、Bさんの手取り20万だとする。このとき分担の出し方は主に三通りある。
- 折半方式:A10万・B10万。計算がいちばん楽だが、収入の低い側の負担感が重い
- 収入比方式:A12万・B8万(30:20=6:4で按分)。負担感のバランスが取りやすい
- 可処分比方式:家賃・税金などを引いた後の手残りを揃える計算。精密だが手間がかかる
迷うなら、まず折半で始めて、数ヶ月で片方がきつそうなら収入比へ切り替えるステップ方式が現実的だ。なお、自分たちの支出が多いのか少ないのか感覚をつかみたいときは、総務省統計局の家計調査が参考になる。二人以上世帯の平均的な支出項目が品目別に出ているので、食費や光熱費が世間並みかどうかの当たりがつけられる。
友情結婚で起きやすいお金トラブルと回避策
家計のパターンを決めても、運用でこじれることはある。相談でよく聞くのは、だいたい次の四つの型だ。
- 収入を隠していた:ボーナスや副業収入を申告していなかった
- 大きな買い物を独断でした:車、高額家電、投資など
- 借金が後から発覚した:奨学金、リボ払い、親への借金
- 親族への援助が見えなかった:相手の実家への仕送りが続いていた
回避策はだいたい一つに尽きる。結婚前に「収入・支出・借金・親族支援」の四点を紙に書き出して見せ合う。口頭だけだと言い忘れや解釈のズレが残るので、書いて並べたほうが早い。多少気まずくても、ここで照れて省略すると、あとで何倍も面倒な話になって返ってくる。
価値観そのものが完全に一致している必要はない。貯金派と消費派でも、「毎月の貯蓄は手取りの20%、残りは各自の裁量」のように枠だけ決めておけば共存できる。価値観のすり合わせは友情結婚でパートナー探し:大切にしたい価値観とはも合わせて読むと整理しやすい。お互いの考え方を理解して尊重する、その土台さえあれば、数字の細部は運用で詰められる。
お金の取り決めを淡々と進められるかどうかは、相手との信頼を測る材料にもなる。アプリで出会うなら、プライバシーポリシーや運営体制が明示されているかも一応見ておくといい。実際にルールを決めて暮らし始めた人の話は友情結婚のリアルな体験談に。
結婚前から数字を並べて淡々と話せるなら、その時点でかなり相性はいいと思う。お金の話を先にやっておくのは、冷たいからではなくて、長く対等に暮らすための準備だ。
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