「趣味はなんですか?」
「映画です」
「そうなんですね!」
友情結婚の相手を探していた頃、このやり取りを何十回も見ました。
送る側としても、送られる側としても。
一言返信は「興味がないサイン」だとよく言われます。
半分は当たっていますが、半分は外れです。
興味がなくて「そうですね」で済ませる人は確かにいる。
ただ同じくらいの数、興味はあるのに何を足せばいいのか分からず、「そうですね」で止まっている人がいるんですよ、これが。
後者は直せますし、前者は直す必要がありません。
この記事は後者の人に向けて書いています。
最初の一通には、手間がかかっている
友情結婚した人たちに共通する傾向として、女性の側から最初にアプローチしたケースのほうが成婚に至る割合が高い、というものがあります。
私自身、元夫には私からメッセージを送りました。
この傾向を知ってから、一言返信の見え方が少し変わりました。
最初の一通は、相手のプロフィールを読み込み、話題を選び、文面を二、三回直してから送るものです。
そこへ「そうなんですね!」と返すと、送った側の手間はそのまま受け流されます。
成婚に近いと言われている動き方を、受け取った側が5文字で止めているわけで、要するにもったいない。
一言返信にはいくつか型があります。
「休みの日は何を?」「散歩です」「どのあたりを?」「近所です」で5往復しても、近所を散歩する人がいることしか分からない型。
「おすすめの作家は?」「います」と、聞かれたことにだけ正確に答える型。
「観ました!!」とビックリマークは多いのに中身がない型。
翌朝、昨日の会話がなかったかのように「おはようございます!」から始める型もあります。
どれも悪気はないんです。
悪気がないから、本人は気づかない。
「そうですね」は合意ではありません
仕事柄、依頼者と契約の打ち合わせをする機会が多いのですが、面談で出てくる「そうですね」の大半は「聞こえました」という意味です。
「その内容で合意します」の意味で使われていることはむしろ少ない。
ですから私は、大事な項目では必ず「では、○○で進めてよろしいですか」と聞き直します。
友情結婚の話し合いでも同じことが起きます。
私の結婚生活がこじれた原因の一つがこれでした。
生活費を折半にするか、収入比で分けるかを話したとき、元夫は「そうですね」と答えた。
私はそれを合意だと受け取り、元夫は「聞いただけ」のつもりでいた。
1年ほど経って「あのとき決めてないよね」と言われ、話を最初からやり直す羽目になりました。
お金の管理も、住まいのことも、家事の分担も、友情結婚では話し合って決めることが山ほどあります。
「来月から家賃が上がるみたいなんだけど、引っ越しも考える?」
「そうですね」
「どう思う?」
「いいと思います」
これでは何も決まっていません。
メッセージの段階で「そうですね」しか返ってこない相手と、結婚してから急に込み入った話ができるようになるとは、私は考えていません。
友情結婚のコミュニケーションは、マッチング後の最初の数往復からもう始まっています。
なぜ一言で返してしまうのか
事情はだいたい三つに分かれます。
一つめは、普段のLINEをスタンプと「了解」で済ませている人。
文章で会話を広げる習慣そのものがないので、アプリでも同じ調子で返してしまいます。
二つめは、同時に何人ともやり取りしていて、本命以外には最小限しか返さなくなっている人。
三つめは、相手にそこまで興味がないけれど「もうやめましょう」と言うのは気が引けるので、返事だけはしている人です。
三つめに当たる相手に、こちらが時間を使い続ける理由はありません。
一つめと二つめは、本人が自覚すれば変わります。
二つめについては、私は少し厳しい見方をしています。
何人と並行してやり取りするかは自由ですが、一人ひとりに一言しか返せない数を抱えているなら、それは抱えすぎです。
友情結婚の相手は、同じ家で何十年も暮らすかもしれない人です。
その候補を「とりあえず保留」の箱に何人も入れておく探し方は、相手の時間も自分の時間も削ります。
返信に一文足せる人数まで絞ったほうが、結果的に早く進みます。
直し方は、一文足すことだけ

「映画が好きです」と言われたら、「そうなんですね」で止めずに、自分の話を一文足します。
「私も映画は観ます。
最近は邦画のミステリーばかりですが」。
これだけで相手は次に話す材料をもらえます。
かかるのは5秒程度。
この5秒を惜しんで、せっかくのマッチングを流してしまうのは、費用対効果が悪すぎます。
冒頭で挙げた散歩の例も、受け取る側が一文足すだけで中身が変わります。
「休みの日は何をしていますか?」
「散歩です。
川沿いを1時間くらい歩いて、帰りにパン屋に寄るのが決まりみたいになってます。
そちらは休日、外に出る派ですか?」
情報が三つ増えて、質問が一つ返ってきました。
相手は川の話でもパンの話でも、自分の休日の話でも続けられます。
最初の版と比べて、増えた文字数は50字程度です。
そのうえで、質問を一つだけ添えます。
「洋画派ですか?」くらいで十分です。
三つも四つも並べると面接の空気になるので、一つに絞る。
NGワードの記事でも触れられていますが、質問攻めは相手を疲れさせます。
もう一つ、相手のプロフィールを読んでから返信すること。
趣味欄に「料理、カフェ巡り」と書いてある人に「趣味は何ですか?」と聞くのは、相手が用意してくれた話題を捨てるのと同じです。
プロフィールは、相手が最初に渡してくれた会話の材料です。
誤解のないように書いておくと、「そうですね」という言葉自体には何の問題もありません。
問題は、そこで句点を打って終わらせることです。
「そうですね、確かにそういうところありますよね。
私の場合は〜」と続けば、それはもう普通の会話です。
相手が一言返信のままだったら
こちらがいくら話題を振っても一言しか返ってこない場合、どちらか一方だけがラリーを続けている状態は、いずれ終わります。
受け身になってしまう人にも事情はあるので、責める必要はありません。
ただ、待ち続ける必要もありません。
私の基準ははっきりしていて、こちらから話題を3回振り、3回とも一言で返ってきたら、そこでやり取りを終えます。
冷たいと言われたこともありますが、友情結婚の相手探しに使える時間は有限ですし、子どもを考えているならなおさらです。
4回目を送る時間で、別の誰かのプロフィールを一人分読めます。
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