「友情結婚しました」と職場で言うべきか、言わないべきか。
結婚報告のタイミングで、ふとこの問いにぶつかる人は少なくありません。普通の恋愛結婚なら「おめでとう!」で終わる話が、友情結婚だとちょっと複雑になる。説明しても伝わるかわからないし、変に詮索されるのも面倒だし。
実際のところ、友情結婚をした人たちはどうしているのか。
「結婚しました」だけ伝えるパターン
友情結婚をした人の多くが選んでいるのがこのスタイルです。
結婚したこと自体は伝えるけれど、それが友情結婚であることや、自分のセクシュアリティについては特に触れない。聞かれたら答えるかもしれないけど、わざわざ自分から言う必要もないかな、という感覚。
30代の会社員・Kさん(仮名)は「職場では普通に『結婚しました』とだけ報告しました。馴れ初めを聞かれたら『アプリで出会った』と答えてます。嘘は言ってないですし」と話してくれました。
友情結婚だからといって、すべてを開示する義務はない。プライベートなことをどこまで話すかは自分で決めていい。
カミングアウトしない理由、いろいろ
厚生労働省の調査によると、LGBT当事者の8割以上が職場でカミングアウトしていないそうです。
理由は人それぞれ。「理解されないかもしれない」という不安もあれば、「わざわざ言う必要を感じない」という人もいる。特に地方や保守的な業界では、カミングアウトのリスクを慎重に考える人が多い印象です。
ある女性は「私はノンセクシャルですが、職場でそれを説明する気力がない」と話してくれました。「セクシュアリティって、一度説明しても『つまりどういうこと?』と何度も聞かれることがあって。毎回説明するのは疲れるんですよね」と。
これは後ろ向きな選択ではありません。自分のエネルギーをどこに使うか、優先順位を決めているだけのこと。
カミングアウトする人の理由
一方で、職場でオープンにしている人もいます。
カミングアウトした人に理由を聞くと、「自分らしく働きたかったから」という回答が一番多いそうです。隠し事をしている感覚がストレスになる人にとっては、話してしまったほうが気持ちがラクになることもある。
友情結婚をして3年目のTさん(仮名)は、信頼できる同僚数人にだけ打ち明けています。「全員に言う必要はないけど、仲のいい人には知っておいてほしかった。理解してくれる人がいると、それだけで居心地が違う」とのこと。
朝礼で全員に発表する必要はなくて、話したい相手にだけ話す、というやり方もある。
友情結婚が「説明しなくていい盾」になることも
友情結婚をした人の中には、「結婚している」というステータスそのものが余計な詮索を防いでくれると感じている人もいます。
独身のままだと「彼氏いないの?」「いい人紹介しようか?」と言われ続ける。でも結婚してしまえば、そういう質問はピタッと止まる。セクシュアリティについて説明しなくても、「既婚者」という肩書きが守ってくれる。
もちろんこれが友情結婚を選ぶ唯一の理由ではないし、そうあるべきでもない。ただ現実として「結婚していると楽」という側面があるのは事実です。いつか、そんな盾が必要ない社会になるといいのですが。
パートナーとどこまで話すか決めておく
友情結婚で意外と見落としがちなのが、「お互いの職場にどう説明するか」を事前にすり合わせておくこと。
片方がオープンにしたいタイプで、もう片方が秘密にしたいタイプだと、どこかでズレが生じる。「うちの会社の人に会わせたいんだけど」「え、話してるの?」みたいなことにならないよう、最初に話し合っておくのがおすすめです。
馴れ初めをどう説明するか、休日の過ごし方を聞かれたらどう答えるか。このあたりの「設定」を共有しておくと、お互い安心できます。
どちらを選んでも、それが正解
カミングアウトするかしないかに正解はありません。
自分が心地よく過ごせる選択をすればいい。職場でオープンにすることで気が楽になる人もいれば、プライベートを切り分けることで仕事に集中できる人もいる。どちらも自分を守るための選択です。
友情結婚という形を選んだ時点で、すでに自分らしい生き方を選んでいる。職場での振る舞いも、同じように自分で決めていい。周りがどう思うかより、自分がどうしたいか。それを大事にしてほしいなと思います。
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