事務所で友情結婚の相談を受けていると、ときどき「結婚しておけば、親の介護のときに相手にも手伝ってもらえますよね」と聞かれます。
答えは、いいえ。
少なくとも、それを当てにして結婚するのはやめてください。
このブログを運営しているMITRAも、病気や老後、介護の要員として相手を当てにする結婚は勧めないという立場をとっています。
私もこれには全面的に賛成です。
恋愛感情のない相手に、配偶者の親のおむつを替える理由がどこにあるのか。
婚姻届を出したところで、その理由は1行も増えません。
では友情結婚をしている人が親の介護に直面したら、パートナーとはどう向き合えばいいのか。
私自身の経験も交えて、実務の順に整理します。
費用は「親のお金」が原則
生命保険文化センターの2024年度の調査では、介護にかかる費用は月額の平均が約9万円、介護期間の平均は約4年7か月(55か月)でした。
住宅の改修や介護用ベッドなどの一時費用は平均で約47万円。
単純に合計すると、総額はおよそ540万円になります。
施設に入ればさらに膨らみます。
これを誰が払うのか。
原則は親本人の年金と貯蓄です。
足りないぶんを子どもが補う、というのが一般的な順番でしょう。
友情結婚の場合、ここで決めておくべきなのは「自分の親の介護費用は自分が負担する」という一文です。
家計を共通の口座で回しているなら、なおさら。
共通口座から親の介護費が出ていくようになると、片方だけが負担を背負う構図に、気づかないうちになっていきます。
私たちが決めていたこと
私が30代で友情結婚したとき、婚前契約書に介護の条項を入れていました。
中身はこうです。
自分の親のことは基本的に自分でやる。
入院の手続きなど、どうしても人手が二人いる場面だけ協力する。
協力した時間や交通費は、求められれば精算する。
結婚して3年目に、実家の母が自宅で転んで大腿骨を折りました。
病院から電話があったのは平日の昼で、手術の説明と入院の手続きが同じ日に重なった。
このとき元パートナーは半休を取って、入院の書類を書くあいだ私の代わりに主治医の説明を聞いてくれました。
それ以上のこと、たとえば退院後の通院の付き添いは、私とヘルパーさんとでやっています。
この線引きがあったから、頼むほうも頼まれるほうも気が楽だった。
お互いの親とは、年に一度顔を合わせる程度の距離感でしたし、それで困ったことはありません。





