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マッチングアプリの月額料金を送信数で割ったら、昔バイトしてたサクラと同じ単価が出てきた話

最近、マッチングアプリを複数入れて全部に課金してるっていう猛者を観測した。 月額×アプリの本数。脳内電卓が勝手に「ちょっと待て」と言い出した瞬間、ふと20代の頃を思い出してしまったのである。今日はその話。友情結婚関係ない。

20代の俺、好きな人ガチで現れない問題

これは昔、自分がまだ「あ、俺ゲイだったわ」って気づいてなかった20代の頃の話。

周りが次から次へと結婚していく中、俺にはまーったくといっていいほど異性に興味がなかったのである。もちろん好きな人ってのも現れなかったのである。 合コン行っても、紹介されても、職場で並んでも、心がピクリともしない。

今思えば「いや、お前ゲイだろ。ケ◯ン・◯スギが初恋だったじゃねーか!」って肩叩いて教えてあげたいレベルなんすけど、当時の俺は「自分は淡白なんだろうな」くらいに思ってた。

このまま一人で老けていくのか、と焦った俺は、当時流行り始めてたマッチングアプリに手を出すのである。

ふと思い出した、池袋のヤバいバイト

課金しようとした瞬間、頭の中にフラッシュバックしたものがある。

昔やってたバイトだ。

ガラケーとスマホが混じっていた時代。池袋の薄汚いアパートの一室。8畳くらいの部屋にパソコンが学習塾みたいに並んでて、ガラの悪い野郎どもが画面の向こうの相手が喜びそうなメッセージを女の子のフリして送り続ける。 そう、出会い系のサクラである。

部屋にはホワイトボードがでんと置かれてて、「誰が一番相手にお金を使わせたか」がランキングで貼り出される歩合制。 営業成績が悪いと、自分たち以上にガラの悪いおっさんに怒鳴られる。 今やったら完全にアウトじゃないすか、って仕事だった。

おっさんたちの言い訳がまた強烈で、「利用規約には画面の前に女の子がいるとは一言も書いていない。だから合法だ」というトンデモ理論を真顔で振りかざしてくる。法の抜け穴で殴ってくるタイプのホームラン級にヤバい人たち。

そして当時の出会い系の仕様はガチで鬼で、相手にメッセージを送るたびに1通120円かかる。それでも利用者の男たちは、画面の向こうに可愛いおんにゃのこたちがいて、いつか会えると信じて課金しまくるのである。性欲をもてあそぶ商売、というやつ。

友情結婚、気になったら

まずは無料で登録して、どんな人がいるか覗いてみませんか。

必死すぎた中の人たち

歩合制なんで、こっち側もみんな必死だった。

妹と妹の彼氏のSMSを盗み見て文章を参考にする奴、実家の彼女に「女の子ってこういうとき何て返す?」と電話して聞き出す奴、ありとあらゆるリソースを動員して、相手にできる限り何通も送らせるように仕向ける。

シフト制だったから交代するときは引き継ぎがある。 これまで送ったメッセージのテンションや絵文字の癖を全部読み込み、「中の人が変わった」と気づかれないように最善を尽くす。 まさに職人の技である。なお技術は完全に悪用なんですけど。

実際どんなメッセージを送ってたのか

雰囲気だけ再現するとこんな感じ

「今日めっちゃ寒かったね〜(´;ω;`) ◯◯くんは風邪ひいてない?」

「朝コンビニ寄ったら肉まん買っちゃった♪ 肉まん派?あんまん派?」

「えー、◯◯くんってそんなお仕事してるんだ!すごい〜(*ノωノ) 私なんて全然普通の事務だから尊敬しちゃう。普段の休みって何してることが多いの?」

「実は今ちょっと相談に乗ってほしいことがあって…(´・ω・`)直接会えたら話せるんだけど、ここだとうまく言葉にできなくて…」

コツはいくつかあって、まず冒頭で天気か食べ物の話を投げる。返信のハードルをコンビニのレシートより薄くするためである。 次に文末は必ず質問で終わる。「肉まん派?あんまん派?」みたいに二択で訊くと、男側は迷わず答えられる→1通120円課金が確定する仕組み。

絵文字と顔文字は盛れるだけ盛る。「(´;ω;`)」「(*ノωノ)」あたりの顔文字を、こっちは無表情で連打している。ガラの悪いおっさんが画面の前で『(*ノωノ)』を打ち込んでいる絵面、改めて思い出すとなかなかの地獄である。

そして極めつけが、3通目の「相談がある」「直接会いたい」系。これで男側のテンションが一気に上がり、課金額がホームラン級に跳ね上がる。

もちろん会う日は来ない。 永遠に来ない。

スケジュールという概念を持たない女の子だった。

サクラと知らずに送ってくる男側のメッセージ(地獄編)

サクラだと夢にも思ってない男たちが、めちゃくちゃ真面目に返信を投げてくる。これが、傍から見るとガチで悲しいのである。

男「会いたいよ!」

→ ハイ、残念。会えません。会う日は無限の彼方に逃げ続けます。 返信テンプレは「私もー!でも今シフトキツくて…来月落ち着いたらね♡」あたりで、永遠に「来月」は来ない。 寿司屋の「次回サービスしますね」と同じ強度の口約束だと思ってもらえればいい。

サクラ「(写メ送って)可愛いと思う?」

男「うん」

→ ここに気づいてほしい。「うん」、たった2文字。これに120円。1文字あたり60円である。漢字でもひらがなでもない、ひらがな2文字に60円課金。ス◯バのトールラテよりはるかに高単価な「うん」が画面の向こうで次々と発射されていた。

男「今日仕事疲れた…」

サクラ「お疲れ様(´;ω;`) 何があったの?よかったら話聞かせて?」

→ これも罠で、男はここから上司の愚痴を3通くらいに分けて送ってくる。男側にはなぜか文字数制限があるからだ。3通×120円=360円。コンビニのおにぎり3個分の「上司マジ無理」が課金されている。誰にも届かない愚痴に、しれっと360円を払っているのである。

サクラ側は内心「はいはい了解、続けてどうぞ」って顔で返してるんで、共感ゼロで集金マシンとして稼働してるだけ。男側だけが本気で悩み相談してた、という構図。書いてて胃が痛くなってきた。

で、20代の俺、課金画面の前で固まる

そんなバイトをしてた人間からすると、課金制のマッチングアプリは「これ運営側のサクラなんじゃね?」と疑う癖がついてしまう。 一度内側を見ると無垢に戻れないやつ。

ただ、運営かどうかなんてユーザー側からは確認しようがないし、課金しないと話そのものが始まらない。渋々ポチる20代の俺。

そしたら困ったことが起きた。

なぜか俺、女の子に興味が持てないのである。いいねしてきた人にメッセージ送っても、無風。「あ、こっちからは気持ちが乗らないからかな」と思いつつ、別の人にも送ってみる。送ってはみるけど、自分が乗らないせいか、せいぜい1日1通。相手も「あ、この人私に興味ないな」って気づくのか、自然消滅するパターンばっか。

電卓を叩いた瞬間

ある日ふと、その月に送ったメッセージの数で月額料金を割ってみた。

するとどうだろう、

1通あたり120円。

は?

あの池袋のホワイトボード歩合制部屋の、おっさんたちが鼻の穴広げて吸い上げてた金額と、ピッタリ同じ数字が画面に出てきた。

マッチングアプリの運営、もしかして全員あの池袋の8畳のアパート出身説あるんじゃないか?同窓会か?業界スタンダードか?1通120円って何の聖典に書かれてるんすか?

画面の後ろから、いまだに鼻の穴広げたおっさんがホワイトボード持って立ってる気がしてきた。今度は俺が「お前、今月成績悪いぞ」って怒鳴られてる側にジョブチェンジしてる。なんなら売上に貢献しちゃってる。輪廻じゃん。

教訓らしきもの

数字って残酷で、月額3,000円という顔をしたサブスクも、送信数で割った瞬間に正体が出る。1日2〜3通しか送らないユーザーなら、1通あたり33〜50円。1日1通ペースなら100円。1日1通も送らない、俺みたいな心がフラットな人間がやると、1通あたり120円超のホームラン級単価がしれっと算出される。

別に「課金するな」とか言いたいわけじゃない。むしろ合コンや紹介で消えていく時間と気力を考えたら、月3,000円なんて誤差みたいなもんなのも分かってる。地元の居酒屋で「友情結婚どうすかね」って切り出すには寿命が足りないわけで、検索ひとつで前提合う人を探せる便利さの対価としては、まあ妥当なのである。

ただ、自分の心がそもそもそっち向いてないと、何円払おうと1通も増えないのよね。俺の場合は単純に対象が違ったというだけ。

電卓は便利な道具です。便利すぎてサブスクの正体も自分のセクシャリティもたまに突きつけてくる。叩くときは覚悟を決めてからにしてください。

…って、いま振り返って初めてカラッと書ける話なんですけどね。当時はガチで「バチ当たった」って震えてたんで。

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